クトゥルフ辞典 た行
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●ダゴン(個体名・奉仕種族ディープワン) 「インズマスの影」「ダゴン」
 「父なるダゴン」と呼ばれる、何百万歳ともいわれる高齢のディープワン。「母なるハイドラ」と対で語られることが多い。なおダゴンは本来ペリシテ人の神。旧約聖書にも登場する。「父なるダゴン」と同一の個体であるかどうかは判然としないが、鯨よりほんの少し小さいだけに描かれた彫刻や、巨大な存在が「ダゴン」で描かれている。

●「ダゴン」(作品)
 一次大戦中に遭難した船員が奇妙な泥の平野にたどり着き、ダゴンと思しき巨大生物に出会う話。ダゴンを目撃したために発狂した船員が、なんとか精神の安定をわずかに取り戻した数ヵ月後に書いた回想録の形式をとる。

●ダゴン秘密教団 「インズマスの影」
 ディープワンと人との混血たちのあがめる宗教。司祭たちは特徴的な三重冠などの装飾品を身につける。

●『魂の射出』(書名) H・カットナー「ハイドラ」
 自費出版本の小冊子。エーテル体の射出のための手法を記した本、という体裁をとっているが、実際はハイドラへの犠牲者を呼び込むための罠。体を離脱したエーテル体を媒体にハイドラがこの世に現出し、犠牲者(エーテル体の本体ではなく、別の人物)の首を切り取ってハイドラが持ち去ってしまう。

●父なるダゴン
 「ダゴン」を参照。

●ディープワン(奉仕種族) 「インズマスの影」
 「深きものども」。クトゥルーに仕える半人半魚の奉仕種族。年齢による寿命を持たない。
 人間との混血も可能。ディープワンと人との混血は、生まれつきディープワンの外見を持っていたり、人間の姿であってもインズマス面と呼ばれる頭部などの特徴的な外見を持ち、加齢とともに精神も外見もディープワンになっていく。まれに高齢でも人間の姿のままの者もいる。
 父なるダゴン母なるハイドラという長老がいる。

●テケリ・リ、テケリ・リ(呼び声)「狂気の山脈にて」
 本来は、ラブクラフトより1世紀前に活躍した作家エドガー・アラン・ポーの長編『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの手稿』のラストシーンに登場する鳥の鳴き声。南極と「テケリ・リ」の声の組み合わせはポー以降の作家たちに好まれ、ラブクラフトも「狂気の山脈にて」でショゴスの声として登場させている。



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