メックウォーリアTRPGリプレイ
メックウォーリア リプレイ 1999 11/10

《キャラクタ紹介》
プレイヤー”フレイ”
メック戦士 アルル=フォルティシモ=メロディW世
 小隊長。乗機はウォーハンマー(70t)。射撃/操縦基本値=6/6。
偵察兵 マヨール=レーベンハイト
 今回の任務で地獄を垣間見た。

プレイヤー”音響”
メック戦士 グレイ
 乗機はサンダーボルト(65t)。射撃/操縦基本値=3/5。
 魅力を削るだけ削って敏捷につぎこんだ「射撃だけ」型戦士。パーティ随一の射撃の腕だが、搭乗機体は火力の乏しいサンボル。
偵察兵 フレイア

プレイヤー”ガイフリード”
メック戦士 ロック
 乗機はランスロット(60t)。射撃/操縦基本値=5/5。
 彼の不幸は機体重量決定で60tを振ってしまった時から始まる。幸いテクニカルリードアウト3025があったため、ライフルマンやチャンピオンの代わりにランスロットに乗ることができた。しかし152点というドラゴン(160点)とほぼ同じ装甲を期待されてか、サンダーボルトの代わりにパーティの盾となって、砲火を一身に浴びてしまう。

 ランスロット LNC25−02 LANCELOT は『テクニカルリードアウト3025』(1996 FASA CORPORATION)のp75に載っています。武装はPPC、大口径レーザー×2、中口径レーザー。歩行MP4。放熱能力19。装甲152点。無駄のない、非常に優秀な機体です。『3025』には放熱機の装備位置が書いてないんだよね、これ。
整備兵 ランス

プレイヤー”戦闘員(c)”
メック戦士 エリス
 乗機はローカスト(20t)。射撃/操縦基本値=4/5。
 部隊で2番目に射撃の腕が良い(すでに一般兵と同じレベルの腕前を持つ)。しかし乗機は最も軽いメックである20tのローカスト。整備兵のクリスの双子の姉。
整備兵 クリス
 エリスの双子の妹。

ゲームマスター”戦闘員(b)”

《開始前》

グレイ「新兵なのに一般兵よりも射撃の腕は良いよ。でも魅力2」
エリス「操縦席から出てこないでね(笑)」

アルル「大学出てるのは、私だけですね」
GM「じゃあ、きみが小隊長ね」

ロック「機体獲得ロールの出目が10なんだけど、何tなんだい?」
GM「...60t。基本メック以外のメックを探してもいいよ。ライフルマンに乗りたいってんなら、止めないけどね」
エリス「わたしは……1ゾロ? やったー、鳥さん(ローカスト)だ〜」

 脚の形が鳥に似ているからローカスト=鳥さんなのだそうだ。ローカストってイナゴなんだけどなあ。

GM「あっちは60t、こっちは20tかい(頭を抱える)」

《本編》

GM「君たちが所属しているのは光の戦士連隊(Glory Warriors)という傭兵部隊だ。今はダビオン家に仕えている。年代は3028年頃。第4時継承権戦争の足音が響いてくるような時代だ。光の戦士連隊は現在リャオ家との国境の惑星ターミニ(終着点)の占領作戦中だ。すでに緒戦に勝利し、連隊は惑星の大半を掌握している。攻勢も一段落して、一時休息ってとこだ。そんなある日、中隊長から呼び出しがかかる。」
アルル「何でしょうか」
GM「『ちょっと厄介な事態が持ち上がった。演習中の歩兵2個小隊が行方不明になった。探してきてくれ。』なんでも、ここから数Km離れた村の近くで訓練をしていたのだが、突然連絡が途絶えたらしい。」
アルル「了解しました。村人を一人残らず……」
GM「やるなって(笑)。『あの地域は先日占領したばかりだ。住民を刺激しないでくれ』」
グレイ「偵察兵と整備兵はジープで村へ行こう。メックは村近くの橋のたもとで待機」

GM「うん。何事もなく村に着いた」
クリス(エリス)「聞き込みをしましょう。こういう場合は酒場でしょう」
ランス(ロック)「マスターに『景気はどうだい?』と飲み物を注文しながら」
GM「『まあまあだ。ついこのあいだまで兵隊がたくさん飲みにきていたんだが、今日はだれもこないな』」
クリス(エリス)「特に変わったことはないの?」
GM「『変わったこと? いや、何もないな』酒場にいる人はみんな知性度でロールして」
ランス(ロック)「成功」
GM「じゃあ、君たちが酒場に入った時から、ずっと君たちを見つめている人に気づいた。」
フレイア(グレイ)「どんな人?」
GM「農作業服のようなものをきているけど、目付きは鋭い。なんとなく軍人っぽいね」
ランス(ロック)「何か用かい」
フレイア(グレイ)「いきなり話し掛けるか」
GM「(狼狽した声で)『あ、いや、傭兵が戻ってきたのかなと思って』と言うと、そそくさと代金を払って酒場を出て行く」
マヨール(アルル)「あとをつける。潜伏ロールには+2成功している」
GM「(ころころ……出目は3)気づかれてない。警戒しているはずなのに(笑)。村外れでバイクに乗ると北東の谷を目指して走っていく」
マヨール(アルル)「バイクには追いつけないな。引き返そう」
ランス(ロック)「マスターに『あの人、この村の人?』と聞いてみよう」
GM「『いや、ここ数ヶ月ほどに見るようになった顔だ。』」
フレイア(グレイ)「山賊かな?」
マヨール(アルル)「村の人にも聞き込みをしよう。『景気はどう?』」
GM「『景気はいいよ。ここ数日傭兵さんが色々買い物をしていくからね。そう言えば今日はまだ来ないな。傭兵さんはいいね、現金を落としていくから。正規軍だと軍票を切っていくだけだもの』」
マヨール(アルル)「傭兵部隊の評判はいいみたいだな」
クリス(エリス)「ところで、山賊のことも聞いておきましょう。似顔絵を描いて、たずねてみれば何か分かるかも」
GM「知性ロールで顔を正確に思い出して、敏捷ロールでうまく書けるかだね」
フレイア(グレイ)「知性ロール……6ゾロ。完璧に思い出せている。敏捷ロール……6ゾロ。写真のようだ」

 一同爆笑。

フレイア(グレイ)「絵描きで食っていけるな(笑)」
GM「『ああ、この人かい。月に1度か2度食糧を買いに来る人だ。トラックに乗ってくるし、農場でも経営してるんじゃないかな』」
マヨール(アルル)「小規模な集団なのかな」
ランス(ロック)「畑を耕していたりして(笑)」
GM「(するどいなあ)村人から聞き出せる情報はだいたい似たり寄ったりだね。」

マヨール(アルル)「谷へ向かおう。メックと整備兵は山すそで待機。偵察兵2人で偵察に行く」
フレイア(グレイ)「忍び足の基準値は4人とも同じだけどね(笑)」
クリス(エリス)「でも整備兵の2人は武器の技能をとってない」
マヨール(アルル)「では、偵察兵2人だけでいきましょ」
GM「しばらく谷の奥目指して進むとだ、突然林が開けて畑にでくわす。知性度でロールしてくれ」
マヨール&フレイア「失敗」
GM「じゃあ、足元に何かを引っかけたかなと思ったら、鳴子がガランガランと音を立てる」
マヨール(アルル)「やば」
GM「前方から『侵入者か?』『動物だろ』『一応みてくる』という声が聞こえる。潜伏ロールを行ってくれるかな」
マヨール&フレイア「成功」
GM「『何もいない』『どうせ動物さ』と言いながら、声は遠ざかっていく。畑の隅に小屋があって、そこに帰っていったようだね」
フレイア(グレイ)「見張りは2人か。消してもいいけど、いたずらに敵を警戒させるだけだしな。畑を迂回して進む」
GM「了解。さらに進むといくつか建物が見えてくる。3階建ての校舎くらいの大きな建物。車庫のような建物。地下格納庫のような入り口。この3つだ。」
フレイア(グレイ)「双眼鏡で確認」
GM「兵士が大きな建物の前に2人。車庫と地下格納庫の前に1人ずついる。大きな建物の上にはリャオ家の旗が立っている。それから、知性度で判定してくれる?」
マヨール(アルル)「ぴったり成功」
GM「車庫の中に車輪の跡が続いていて、地下格納庫の中に大きな足跡が続いている」
マヨール(アルル)「車両とメックか。爆弾持ってくればよかった」
フレイア(グレイ)「全部で4人か。整備兵も連れてくるべきだったな」
マヨール(アルル)「仕方がない。武力鎮圧だ。メックを呼ぼう」

GM「見張りから報告を受けたのか、基地が騒がしくなる。人が何人か走りまわって、地下格納庫から4機のメックが出撃していく。君たちのメック部隊を迎撃にあがるようだね。構成はライフルマン、シャドウホーク、パンサー、ワスプだね。」
ランス(ロック)「勝てる?」
フレイア(グレイ)「215t対170t。大丈夫、こっちの方が重い。それに60tはライフルマンだし(笑)」

 ライフルマンは60tのメックです。設計ミスの極致のような機体で、機体重量のほとんどを火力に回しており、装甲は45tフェニックスホークよりも薄いです。そしてその火力を運営するための放熱能力は最低値の10しかありません。結果として一度に使える兵器は少なく、単なる「装甲が薄くて、火力も低い路傍の石」でしかありません。もちろん自爆覚悟で全力射撃を行うこともできますが、そんな運用はキャンペーンゲーム向きではないでしょう。(NPCがする分には構わないか)

GM「地下格納庫前の兵士はメック戦士だったようで、格納庫前の兵士はいなくなっている。それから、車庫の前の兵士が大型の輸送トラックを動かしてきて、大きな建物の前に停めた。」
フレイア(グレイ)「捕虜を動かす気か?」
マヨール(アルル)「外にいるのは(大きな建物の前にいる)2人だけか。やるか?」
フレイア(グレイ)「やろう。狙いを付ければ当たるだろう」
GM「2人ともレーザーピストル? なら中距離だね。騒がしいから、兵士たちは気づかないだろう。思う存分狙えるよ」

 結果、一人は負傷して気絶。もう一人はあわれ頭を撃ち抜かれて即死します。

マヨール(アルル)「いくぞ。建物の入り口まで走る」
GM「たどり着いた。建物の中はまだ外の異変に気づいていない。輸送車の運転者は……君たちのいるのとは反対側の輸送車の扉から飛び出して、車庫に逃げ込もう。」
フレイア(グレイ)「建物の中から声は?」
GM「『移動だ。さっさと歩け』という声が入り口に近づいてくる」

 マヨールとフレイアは入り口の左右で待ち構え、捕虜を引き連れてきた兵士2人を撃ち殺します。

GM「うわあ。命中個所はまた頭部かい。体力判定も失敗してるし。やっぱりメックウォーリアの個人戦闘は致死的だなあ」
フレイア(グレイ)「捕虜を解放する」
GM「『まだ中に2人兵士がいる。そいつらが残りの捕虜を連れてくるはずだ』」
マヨール(アルル)「入り口から出るまで異常に気づかせなければいいのだ」
GM「(ころころ)捕虜を連れてきた兵士は2人とも気づいていない。このラウンドは一方的に射撃できるよ」
マヨール(アルル)「あ、外れ。」
フレイア(グレイ)「こちらは当てた。気絶させた」
GM「一人生き残ったか。じゃあ、初めてフェイズ順に処理することになるかな」

 こうして個人戦闘での打ち合いが発生してしまいます。

GM「目標はマヨール。軍用拳銃を撃って、当たった。ダメージは2Dで……11だ。命中個所は……胴体。致命的命中は起きてない」

 頭に当たってたら殺していたかも。ああ、恐かった。やっぱり撃ち合いはしちゃいけないな、このゲーム。

マヨール(アルル)「総生命点が80点だから、気絶判定もまだいらない。こっちの攻撃は当たってる。こっちのも胴にいって、気絶か」
フレイア(グレイ)「当たってよかった。マヨールの攻撃が外れたら、経験点を使ってでもこの攻撃を当てなくちゃいけなかったから」
GM「ほぼ制圧されたようなので、車庫に逃げ込んだ兵士もあきらめて投降しよう。」

GM「では、君たちのメック部隊と迎撃に出たメックとの戦闘を解決しようか。こちらの編成はライフルマン、シャドウホーク、パンサー、ワスプだ。」

 最初の2ラウンドはお互い距離を詰めます。
 3ラウンド目から林に隠れたグレイのサンダーボルトと突出したワスプとの間で砲火が交わされます。そして他のメックも次々と砲門を開き始めました。
 グレイのサンダーボルトが林の影からちまちまと攻撃を当てている間、ロックのランスロットがパンサー、ワスプ、ライフルマンの砲火を浴びます。一方でアルルのウォーハンマーとシャドウホークは壮絶な零距離射撃&蹴り合いを行い、そのシャドウホークの背後からエリスのローカストが攻撃を当てていきます。

 5ラウンド目に戦闘の流れはPCに傾きます。PC側重量級メック3体の正面射界に入り込んでしまったワスプがサンダーボルトのLRM、ランスロットのPPC、ウォーハンマーのPPCを同時に浴びることになりました。すでに装甲の落ちていた右胴から胴中央まで蒸発し、破壊されてしまいます。

 6ラウンド目。ウォーハンマーの圧倒的な近接戦闘力を避け、シャドウホークはボロボロになりながら後退します。そこを静止したウォーハンマーの砲撃とやはり静止したローカストの中口径レーザーが次々に命中し、シャドウホークは転倒してしまいます。この砲撃がシャドウホークの右足に集中し、右足の放熱機、腰、大腿駆動装置を破壊し、致命的命中を受けていないのは下腿駆動装置だけという状態になります。

 7ラウンド目には、ランスロットとサンダーボルトも静止したまま射撃し、パンサーを転倒させます。
 この時点で降伏勧告がなされますが、パンサーもすぐに起き上がれる状態にあり、ライフルマンも健在なので、戦闘続行を選びます。パンサーが起き上がってくれば、火力は大きく回復します。シャドウホークも転倒したまま、上体を起こして射撃を行って命中させています。

 8ラウンド目。ところが、パンサーが起き上がりに2度も失敗し、戦力比は元に戻りませんでした。このラウンド終了時まで3機とも生き残ったものの、ライフルマンを除いて深刻な打撃を受けており、投降することになりました。

GM「メックって意外と頑丈なんだな。千切れる寸前のシャドウホークの右脚はともかく、それ以外はほとんど致命的命中もおきていない。脚は折れていないし、火力も全く損なわれていない。こけた2機は破壊されると思っていたんだが、まさか2機とも生き残るとは。シャドウホークなんか、こけたまま2ラウンドもウォーハンマーとローカストの猛攻を浴びて、それでもまだ戦闘可能だ」」
グレイ「今回の戦果は破壊1機、捕獲3機ですか。ボーナスが楽しみですね」

《結末》
GM「一ヶ月前この地域が光の戦士連隊によって占領されたとき、この基地だけは発見を免れた。そこで基地にメックを集め、隙を見て連隊駐屯地を襲う計画だった。まさか自軍の占領地下に機能している基地が残っているなんて思わないだろうからね。ところが、基地の近くで歩兵たちが演習なんて始めたから、歩兵たちを夜襲して捕らえた。そのあと、襲撃計画を前倒しにして実行するか、一旦リャオ家の支配地域へ脱出するか決めあぐねているところへの、君たちの襲撃だったんだ。」
グレイ「今回は装甲版の修理と弾薬の補充だけですむから、大もうけです」
エリス「ローカストのマシンガンの弾薬、補充しなくてもいいような気がする。その方がいざというときの生存率が高いから」
アルル「そもそもキャンペーンの最後まで補充しなくてもマシンガンの弾薬(200射)を使い切ることなんてないだろう(笑)」



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