メックウォーリアTRPGリプレイ |
《キャラクター紹介》
プレイヤー”フレイ”
●メック戦士 アルル=フォルティシモ=メロディW世
小隊長。乗機はウォーハンマー(70t)。射撃/操縦基本値=1/5。アルルはウォーハンマーに改造を加えて、マシンガンを外し、代わりに小口径レーザー2門と装甲を追加しています。
○偵察兵 マヨール=レーベンハイト
<個人戦闘=剣・ナイフ>で高速振動剣を振るう剣士...を自認しているが、なかなか機会に恵まれない。このゲームじゃそんな機会は来ないかもしれない。
プレイヤー”ガイフリード”
●メック戦士 ロック
乗機はランスロット(60t)。射撃/操縦基本値=1/4。
小隊の副長。
○整備兵 ランス
ランスロット LNC25−02 LANCELOT は『Technical Readout 3025』(1996 FASA CORPORATION)のp75に載っています。武装はPPC、大口径レーザー×2、中口径レーザー。移動力は4/6/0。放熱能力19。装甲152点。無駄のない、非常に優秀な機体です。
プレイヤー”音響”
●メック戦士 グレイ
乗機は自作メックであるサンダークラップ(65t)。射撃/操縦基本値=1/3。
パーティ随一の射撃の腕を持つ。
○偵察兵 フレイア
サンダークラップ サンダーボルトをベースに改造した高火力・高装甲のメックです。武装はPPC、LL、SRM6、ML×2、SL×4。移動力は4/6/0。放熱能力は16。装甲は208点。
プレイヤー”司会のお姉さん”
●メック戦士 シルヴィア=コール
乗機はギロティン(70t)。射撃/操縦基本値=2/3。
○航空兵 アルト=M=クイーン
本当は偵察兵なのだが、”天性の才能=操縦/航空機”があるため航空兵扱いとなった。プレイヤー曰く「2人合わせて”call
me queen!”」。
ギロティン GLT−4T GUILLOTINE。武装はLL、SRM6、ML×4。移動力は4/6/4。放熱能力は22。装甲は192点。『Technical Readout:3025』掲載のメックです。高い近接火力とジャンプ能力を持った機体です。
プレイヤー”BGM”
●メック戦士 リッカー
乗機はグリフィン(55t)。射撃/操縦基本値=3/5。
○整備兵 ジュン
魅力度12の美青年。このパーティの交渉担当である。
プレイヤー”戦闘員(c)”
●メック戦士 エリス
乗機はアーチャー(70t)。射撃/操縦基本値=1/3。
整備兵のクリスの双子の姉。
○整備兵(と書いて”ていさつへい”と読む) クリス
エリスの双子の妹。偵察兵関係の技能しか成長させていないので、すでに立派な偵察兵である。
ゲームマスター”戦闘員(b)”
《プレイ前》
今回グレイのプレイヤーは休みである。
GM「さて、いよいよやってまいりました、最終回。《近代編》も残すところこの1回です。新学期からの《現代編》につなげる気はないけどね。前のプレイのネタを引きずるのは内輪ネタになりがちで新入生が面白くないからね。そもそも今までの《近代編》は3028年から3030年、次の《現代編》は3060年代だから、時代が違うのだけれど」
《本編》
GM「それはさておき。状況を説明しよう。前回のシナリオで壊滅的打撃を受けた<栄光の戦士>連隊は前線を後退させ、都市トラを放棄。前線はトラ=ナーガ間からリュウ=トラ間へ移行した。その状態で戦線は小康状態が続いている。
あの敗走から2週間。戦死した中隊長に代わり、アルルが中隊長になり、中隊長の遺品ギロティン(頭部破壊)とサルベージしたアーチャー(頭部破壊)にはそれぞれアルトとエリスが搭乗した。その二人の機種転換訓練も終了した頃だ。
<栄光の戦士>連隊と惑星ハゲタガVのシュタイナー=ダビオン軍は、リュウ=トラ間の前線に基地を置いて、クリタ軍の攻撃を警戒している。そこで君たちの中隊は小隊ごとに分かれて、前線基地で哨戒任務に着いている。メック戦士はメックで哨戒していることになる。
偵察兵は毎日、基地内部で勤務か、偵察に出るか、を宣言してくれい。ちなみに内部勤務はおもに整備・地上警戒レーダーの監視といったところだ。」
内部勤務はクリスとランス。
偵察はマヨールとジュンとアルト。
という組み合わせになりました。
GM「全員の宣言が終わったね。じゃあ、内部勤務の人から解決していこうか。
監視任務についていた兵士が『ちょっと調子が悪いんですよ。画面が時々乱れたりして。診てくれませんか』と頼んでくるよ。」
ランス(ロック)「どうすればいいのかな」
GM「<コンピューター>技能で判定してくれるかな。全員の分の成功度を合計して申告して。失敗した人の分は合計から差し引かなくてもいいから。」
クリス(エリス)「成功度の合計が+7。」
GM「うわお。思ったよりも高いなあ。一日レーダーにかかりきって、次のことが分かった。このレーダーは調子が悪いを通り越して、誰かに手を加えられている。具体的に言うと、制御コンピューターにどこかからクラッキングされている。ということまで一気に分かってしまう」
クリス(エリス)「クラッキング?」
傍観者(横で別のゲームをしていた人)「ハッキングのこと。ハッカー(※ クラッカーのこと)がデータを壊したりプログラムを壊したりしている」
GM「壊しているというか、改竄しているんだけどね。壊すばかりがクラッキングじゃないんだ。ま、ハッカー、クラッカーの名称論は横に置いておいて。つまりだれかがレーダーのプログラムをいじっていたってこと。ここまで分かったところで一日が終わる。」
GM「じゃあ、偵察の方を解決しようか。偵察用の車両はいろいろ基地にあるけど。ジープ、スキマー、VTOL(ヘリコプター)と。どれを使う?」
アルト(シルヴィア)「ヘリコプターに乗ります」
ジュン(リッカー)「じゃあ、僕はジープかな」
GM「偵察している人は知性度ロールに+4の修正をかけて判定してくれるかな。VTOLに乗っている人は+2でいいよ」
アルト(シルヴィア)「成功です」
GM「じゃあ、遠くの方に砂煙が上がっているのを見つけた。どうやら全速走行をしている車両のようだね。もう一度知性度ロールをしてくれるかな。今度は修正無しで」
アルト(シルヴィア)「成功」
GM「じゃあ、遠ざかっていく戦車の後ろ姿が見える。一直線にトラ(クリタ家国境)の方へ向かっている」
ジュン(リッカー)「何をしていたのかな。」
GM「戦車の轍は、トラからやってきて、そのままUターンしてトラへ帰っていくように見える。ちなみに戦車のUターン地点は君たちのレーダーの範囲内だったりする」
ランス(ロック)「レーダーでは捉えていた?」
GM「いや。基地に問い合わせてみればすぐ分かるけど、レーダーには何も映っていなかった。」
ジュン(リッカー)「例のハッカー(クラッカー)のしわざだろう」
クリス(エリス)「レーダーをごまかして、気付かれずに奇襲しようってことですか」
GM「その日はもう何も起こらずに日が暮れるよ」
マヨール(アルル)「報告書をまとめて上に提出しておこう」
GM「『了解。引き続き調査せよ』という回答がある」
GM「では翌日だ。ふたたび任務を宣言してくれい」
全員「昨日と同じ」
GM「まずは内部勤務の方から解決しようか。<コンピューター>の達成値は昨日のに上乗せして計算してね」
ランス(ロック)「達成値の合計は+11」
GM「じゃあ、クラッカーが連隊本部から進入しているということが分かった」
一同どよめく。
GM「さらにクラッカーが改竄していった場所と解析まですんでいるな、その達成値では。今日の昼時の3時間ほどと、3日後の20:00から4日後の6:00までの10時間のあいだ、レーダー上に何も映っていないとごまかすようなプログラムが組まれている。で、君たちが監視している前で今日の昼に動き出す予定のプログラムが予定通り動いて、跡形もなく消滅していく」
クリス(エリス)「ということは、今までのと今日のが練習で、3日後に本格的な侵攻があるんですね」
GM「さて、ちょうどそのころ、偵察兵は...。ダイスを振ってくれるかな。昨日と同じく知性度+4で。VTOLの人は+2で」
全員「失敗」
GM「ありゃりゃ。じゃあ、何もみつからないなあ」
アルト(シルヴィア)「何も異常はありませんでした。てへ」
GM「そんなこんなで一日が過ぎていく。」
マヨール(アルル)「連隊本部からクラッキングされている以上、上への報告は控えておこう。どこに内通者がいるか知れたもんじゃない」
ランス(ロック)「今は伏せておくとして、いつまでに報告すれば奇襲に対応できるかな」
GM「各部隊を呼び集めるのに速くて4時間。余裕を持って集めるのなら12時間だね」
クリス(エリス)「じゃあ、最悪でも12時間前に報告して体勢を整えてもらうとして。できることならそれまでに内通者を見つけてしまいます」
ジュン(リッカー)「そうすると、残り時間は60時間だな」
ランス(ロック)「最初の日に上へ報告を書いたね」
マヨール(アルル)「やっぱりただの故障でした。修理できました。と言っておこう」
クリス(エリス)「例のプログラムはどうする?」
マヨール(アルル)「気付いたことを気取られるわけにはいかない。消すのはまだ早いだろう。今は気付かない振りをして、侵攻前になったら侵攻ルートに地雷をまこう」
マヨール(アルル)「今晩のうちにいろいろと集められるだけの情報を集めてしまおう。最近雇われたばかりの人間をあたってみようか」
GM「それを調べるのなら<コンピューター>技能かな。<交渉=外交>で上の人に尋ねるという手段もあるが。」
ランス(ロック)「それは危険」
マヨール(アルル)「<役に立つコネ=情報屋>があるが。得てして外部の人間の方が内部情報に詳しいものだ」
GM「でもちょっと無理があるかな」
クリス(エリス)「<コンピューター>は成功しています」
GM「じゃあ、最近雇った人はたくさんいるからリストがずらずらと出てくるだけだけど、明日きみたちの基地へ配属されるというレーダー技師が連隊の人事部のコンピューターで見つかる」
全員「あからさまに怪しいぞ!」
マヨール(アルル)「そんな話、聞いてる?」
GM「いや。今夕、急に配属が決まったみたいだ。本人が辞令を持ってやってくる。明日には連隊本部から配属されることが君たちの基地に通達される」
ジュン(リッカー)「人事に手を出せるようなお偉いさんが内通者かよ」
GM「では、翌日だ。今日の任務を宣言してね」
マヨール(アルル)「スナイパーを用意してお客さんを出迎えるぞ(笑)」
アルト(シルヴィア)「今日はリュウ(連隊本部)の方を偵察に行きます」
GM「他は昨日と同じかい。では、今日は偵察兵の方から解決しよう。まず前線側(トラ=クリタ家方面)。知性度に+4で判定をして」
ジュン(リッカー)「成功」
GM「じゃあ、昨日のものと思われるメックの足跡を見つけた。一昨日の戦車と同じようにレーダー網の中にまで進入してUターンして帰っている」
ジュン(リッカー)「これは予想通り」
GM「ほかには特に怪しいものはない」
GM「では、後方側(リュウ=連隊本部方面)。VTOLだから知性度に+2で判定を」
アルト(シルヴィア)「+1で失敗」
GM「じゃあ、向こうの方からジープで整備兵がやってくる。君たちの基地に向かっているようだ」
アルト(シルヴィア)「基地へ連絡。『敵発見。敵発見』(笑)」
マヨール(アルル)「了解。スナイパーを用意しろ(笑)」
GM「じゃあ、基地内部に話を移そうか。昼頃には件のレーダー整備兵が基地に到着する」
マヨール(アルル)「とりあえずは普通に出迎えます」
GM「じゃあ、連隊本部付けの辞令を示して型通り着任の挨拶をおこなう」
ランス(ロック)「身分証明は本物?」
GM「<偽造>で判定してみて」
ランス(ロック)「ちょうど成功」
GM「±0? じゃあ、本物のように見える」
ランス(ロック)&クリス(エリス)「物陰からその整備兵を監視する」
GM「一日中見張っていても、何も怪しい行動は起こさない」
ランス(ロック)「むむ」
GM「そうこうするうちに日が暮れるが。偵察兵たちも帰ってくる」
クリス(エリス)「こうなったら、とっ捕まえて尋問しますか」
マヨール(アルル)「それと、連隊本部へ直接乗り込んで内通者を見つけよう。連隊本部で一番我々に親しくて信用がおける人といえば誰かな」
GM「連隊長その人だろうね」
マヨール(アルル)「交渉系(ジュン)とVTOL(アルト)にいってもらうか」
クリス(エリス)「(ぼそっと)「実はもうリュウは陥落していたりして」
ランス(ロック)「それは斬新な考えだ!!!」
アルト(シルヴィア)「それで、あたしらをいじめるために、こんなことをしていると(笑)」
ランス(ロック)「そんないじめられるような恨みを...買ってるか(笑)」
クリス(エリス)「みんなでマイナス15CPもらっているから(笑)」
残された時間は24時間を切っている。明日の朝8:00までに報告をしないと奇襲に対応できない。しかし内通者が確定していない段階で報告を行えば敵に気付かれる恐れがある。実はこの段階で敵にばれると、迎撃準備を整える前にと、敵が予定を早めて侵攻してくる可能性もあったのだ。そうなると味方が兵力を結集する頃には敵はリュウ近郊まで侵入していて、リュウ郊外で総力戦になる、という結末が待っていたのだ。もっともスパイは例の技術者一人だけなので、その心配はないのだが。
GM「では、翌朝。」
マヨール(アルル)「例の整備兵を監禁。それから敵の進路に振動爆弾を敷設する」
GM「はい。スパイは拘束された。」
クリス(エリス)「あ、<尋問>判定に失敗している。」
GM「じゃあ、たいしたことは聞き出せなかったな。スパイだってことを自白したくらいかな」
GM「リュウへ行くのはアルトとジュンだね。二人は何事もなくリュウにつくよ」
アルト(シルヴィア)「じゃあ、早速連隊長に会いにいく」
GM「君たちが会いに行くと、すぐに連隊長は会ってくれる。『やあ、お久しぶり。例のレーダー技術者は役に立ってるかな?』」
ジュン(リッカー)「もしかして、連隊長が裏切り者とかいう落ちじゃあ」
GM「『それにしても君たちが技術者の応援を要請してくるなんて珍しいじゃないか。けっこう腕のいい整備兵がそろっていると思ってたんだが』」
アルト(シルヴィア)&ジュン(リッカー)「え?」
GM「『ほら、アルル中隊長直筆の要請書が。』といって書類を見せてくれる。『整備兵が足らないので一人寄越してくれ』って書いてある」
アルト(シルヴィア)「中隊長の筆跡ですか?」
GM「知性度で判定してくれるかな。君たちの上司だし、−2の修正をあげよう」
アルト(シルヴィア)&ジュン(リッカー)「成功」
GM「じゃあ、別人のものだね」
アルト(シルヴィア)「連隊長!」
ジュン(リッカー)「状況を話してもいいかな」
マヨール(アルル)「話してしまおう」
GM「『……ふむ。そんなことがあったのか。アルル中隊長から要請があったから、人事部にひとりまわすように言っておいたのだが...ちょっと失礼』と端末を操作する。『おや、私があの整備兵を指名して基地に送れと言ったことになっている。本当に本部のコンピューターにクラッキングされているなあ。なかなか腕のいいスパイじゃないか』」
アルト(シルヴィア)「連隊長〜。なに、のほほんとしてるんですか!」
GM「『とにかく、敵の作戦が分かった以上は利用しよう。敵の作戦に気づかなかったふりをして、敵部隊を有利な地形に誘い込んで叩くのだ。』」
ランス(ロック)「作戦に気づかなかったふり? じゃあ……」
マヨール(アルル)「……せっかく敷設した地雷を回収するのか〜!(笑)」
GM「ごくろうさま。『君たちの小隊には普段通り哨戒任務を続けていてもらおう。敵の進行が始まったら、気づかなかった振りをして素通りさせるのだ。しかる後、決戦が行われている間に、国境付近で哨戒中のメックを結集させ、決戦場から逃げ出してきた敵メックを捕獲するのだ。』」
GM「さて、リュウから基地へ帰還する二人は知性度ロールを行ってもらおうか。+4のところを、VTOLだから、例によって+2の修正だ」
アルト(シルヴィア)&ジュン(リッカー)「成功」
GM「それなら荒れ地の中に土をかぶせてカモフラージュされた、味方所属の軍用車両が見つかる。」
ジュン(リッカー)「調べてみよう」
GM「車は連隊本部に所属しているもののようだ。中は一面血まみれで、死体が一つ助手席に転がっている」
アルト(シルヴィア)「身分証明とかは?」
GM「中身のぶちまけられた財布が落ちているね。それから、身分証明に貼り付けるような、小さな四角の顔写真が落ちている」
ジュン(リッカー)「この人が本物の整備兵か」
アルト(シルヴィア)「本物の整備兵は一人で出発したの?」
GM「いや、運転手がついていた。この惑星に来てから雇った新顔。オリジナルの辞令では君たちの基地に整備兵といっしょに配属されるはずだったけど。辞令を書き換えて、整備兵が一人で運転してきたことになっている」
偽者の整備兵が乗っていたジープはどこから来たのでしょう(笑)。GMのシナリオ作成上のミスです(^^;。「本物の整備兵を発見する」というイベントからシナリオを組んだために起こった失敗です。反省。
GM「さて、これだけネタがあがってしまっては観念するしかないかな。スパイは自供を始めるよ。察しの通り、気づかれずに進行するためにこれまでの策を行ってきたんだ。まずは現地雇われの機械工として連隊本部に潜入して、コンピューターに進入する。本部のコンピューターからなら、すべての前線基地にクラックできるからね。各基地のプログラムを改竄した後、一番前線に近い君たちの基地に進入するために人事部のコンピューターをクラックして、君たちの基地に配属されるようにしむけた。丁寧ににせものの要請書まで書いて。……という訳だったんだ」
GM「そして侵攻の行われる時間。クリタ軍は時間通りに国境を越えて進入してきた。クリタ軍が通り過ぎた後、君たちが国境に集結すると、国境の外から近寄ってくる部隊がある。そして一般無線に声が入る。『別働隊を組織しておいて正解だったようね。この手で仇を討てるのだから。……国境を封鎖しているところを見ると、計画は露見してたってわけか。まあいい。仇と戦えるのなら。もう、本隊がどうなろうと知ったことじゃない』
さあて。ついに宿敵登場です。15CP分の苦労をしてくださいね(笑)。」
GM「こちらの編成はキングクラブ(100トン)、クルセイダー(65トン)、キンタロー(55トン)、グリフィン(55トン)。”宿敵”はキングクラブに乗っている」
【第1ターン】
エリス「グレイのサンボルもどき(サンダークラップ)はどうしようか?」
結局、サンダークラップは正式名称で呼んでもらえないのでした。
GM「だれかが操っておいて」
エリス「じゃあ、わたしが」
お互い全速走行をして距離を詰めます。射撃の目標値が低いのでこの距離でも命中打がでますが、グリフィンの左腕と左胴にPPCの命中があったほかは、お互い大きなダメージはありません。
【第2ターン】
双方の技能が高いので、早くも猛烈な撃ち合いになります。
GM「グリフィンのPPCがランスロットに命中。命中個所は頭部」
ロック「落ちた! 頭部完全破壊だ」
GM「え?」
ロック「ランスロットは頭部に7点しか装甲がないんだ」
GM「じゃあ、頭部命中で1点(10点)のダメージを受けて。さらに、緊急脱出の際に怪我をしなかったかどうか<操縦>ロールを」
ロック「成功。怪我はしていない」
GM「じゃあ、メックのすぐ前のヘクスに着陸する。一応脱出したパイロットも歩兵1人として利用可能経験点を使うことはできるからね。……プレイヤーはグレイのサンボルもどき(サンダークラップ)をコントロールしていて。」
シルヴィア「ほら、GM、何か言わなきゃ」
GM「あ、そうか。『まずは一人!』」
これで5機対4機になったと思ったのですが。
アルル「グリフィンの左胴に命中」
GM「それは中枢に入った。致命的命中判定をどうぞ」
アルル「2個所おきてる。場所はLRMの弾薬とLRM10」
GM「……沈んだ」
いきなり5機対3機である、とほほ。
【第3ターン】
最前線に出ているグレイのサンダークラップとキンタロー・クルセイダーが近距離武器を撃ち合います。このラウンドでキンタローは7点過熱します。おたがい装甲をけずりあい、一部は中枢にもおよびますが、致命的命中はありません。
【第4ターン】
前のターンに過熱したキンタローは、避難のため走行してレベル2の水地を目指します。
GM「おりゃー。キンタローはレベル2の水地へ避難じゃー。……わあ、操縦判定に失敗して転倒してやがる」
ロック「ぶくぶくぶく(笑)」
クルセイダーとグレイのサンダークラップは隣接して撃ち合い、エリスのアーチャーがそれを援護します。他のメックは遠巻きにしてクルセイダーの後方のキングクラブを削ります。
GM「キングクラブの遠距離にギロティンを捕捉したぞ」
ロック「させるか! 経験点を使って目標値を13まで上げる」
【第5ターン】
起き上がったキンタローは水地から出てきます。前のターンに全身が水に浸かっていたので、完全に放熱しきっています。
GM「クルセイダーは静止」
ロック/グレイ「サンボルもどき(サンダークラップ)も静止」
GM「ならばキングクラブがクルセイダーの手前まで走って行こう。これで中距離だ」
シルヴィア「それじゃ、キングクラブの右側面に行く」
アルル「キンタローの頭部にPPCが命中。致命的命中は1個所。……操縦席!」
これで5機対2機です。
グレイのサンダークラップを中距離で捕捉したキングクラブにたいしてPC側は経験点を使って目標値をあげますが、8までしかあがりません。
GM「キングクラブのAC20も両方ともサンボルもどき(サンダークラップ)に命中だ。場所は胴中央と右脚。」
ロック/グレイ「右脚の装甲ははげた。胴中央はまだ装甲が残っている」
マップ中央の水地わきの林でずっと静止していたグレイのサンダークラップはクルセイダーと射ち合ってかなり装甲を削られていましたが、一番多く装甲の残っていた部位にACが集中したため、装甲を撃ち抜くことができません。
このラウンドでクルセイダーの右胴装甲は失われて弾薬がむき出しになっています。典型的なクルセイダーの撃墜パターンです。
【第6ターン】
接近していたシルヴィアのギロティンがジャンプを活かしてキングクラブの背後に回ります。クルセイダーは静止します。
リッカー「PPCもLRMもクルセイダーの右胴に命中。致命的命中は……おきた!」
GM「くう。爆散したか」
ロック/グレイ「キングクラブの右腕が落ちた。もう勝ち目は残っていないぞ」
アルル「降伏は?」
GM「『まだまだ。わたしが降伏するわけにはいかない!』」
キングクラブはすでに右脚、左脚の中枢が見えており、胴中央もほとんど装甲も中枢も残っていません。命中個所決定で「胴中央致命的命中」が3度もでていますが、中枢が削れただけで、悪運強く致命的命中はおきていません。
【第7ターン】
レベル1の水地に入ったウォーハンマーにキングクラブは接敵します。
GM「『せめて一矢報いる!』と一本残ったAC20をウォーハンマーに……外したか」
そしてPC側の射撃の解決。キングクラブの両脚、胴中央は蒸発。そして右胴には致命的命中が2個所おきています。
アルル「右胴致命的命中、2個所。場所は……大口径レーザーとAC20の弾薬」
GM「終わったね。5機のメックの集中砲火を浴びて、宿敵の姿は紅蓮の炎に包まれる。こうして彼女の命も恨みも秘密も、すべては炎の中へと消えていった。そして……」
《結末》
GM「……そして主戦場では、奇襲をおこなったドラコ軍は連邦共和国軍の反撃を受けて壊滅した。その要因の一つに、別働隊がついに戦場に現れなかったこともあげられる。ドラコ軍と連邦共和国軍との戦力は再び拮抗状態に戻り、惑星ハゲタガV上の戦闘は今後も続くだろう。しかし、将来においてこの惑星の帰趨は両軍のいずれにも属さない。この宙域一帯で独立運動が起こり、自由ラサルハグ共和国として双方の軍隊を追い出すことになる。
とにかく、いまは一応の終了だ。
それから君たちには、連邦共和国正規軍と<栄光の戦士>から二つの道が提示される。連邦共和国からは、正規軍にスカウトされる。正規軍になれば安定した部隊の運営と一族の将来が保証される。
一方、<栄光の戦士>からは、士官教育を受けて小隊長クラスにならないかという誘いがある。すでに士官教育を受けている人たち(アルル・シルヴィア)には大隊長、中隊長への昇進が打診される。
どんな道を選ぶかは各自の判断に任せよう。
……というわけで、これでメックウォリアー《近代編》は終了です。お疲れ様でした。」