メック解説&運用(70t)

  ギャロウグラス  ギロティン  ノ=ダチ



 どんな相手でもどんとこい。
3060年代
GAL-1 GLS ギャロウグラス GALLOWGLAS

背景
 ギャロウグラスはブラックウェル重工の最新型メックです。同社はこのメックの設計を「老舗としての実績ある技術と革新的技術との成功した取り合わせだ」と自賛しています。事実、このメックは自慢されるだけの確かな性能を証明しています。ギャロウグラスのエナジー兵器で固められた武装は、遠距離では恐るべき存在であり、近距離ではさらにその恐ろしさに磨きがかかります。この戦闘力は氏族(クラン)の脅威に十二分に立ち向かえるものです。
 噂によると、ウルフ竜騎兵団が限られた数だけ運用しているギャロウグラスは、他の通常に販売されているギャロウグラスとは違った構造をしているらしいとのことです。おそらく、ブラックウェル重工がウルフ竜騎兵団向けに生産しているギャロウグラスには、中心領域には知られたくない(つまり氏族製の)技術が用いられているのでしょう。
 それでも、エンジンや武装や装甲(およびCASE)がすべて中心領域製のギャロウグラスでも、非常に高い評価を得ていることに変わりはありません。

 ギャロウグラスの中枢にはエンドゥースティールが用いられており、装甲には多層強化セラミック製のバリアントラメラーを使用しています。また、ジオテック300ジャンプジェットがこの重量には珍しくジャンプ能力を供給しています。主兵装にタイガートマグナム社の新型ER−PPCを配し、強力な各種レーザーがそれを支援します。
 電子戦闘能力の成績と、頭部に配置された多数のアンテナは、ブラックウェル重工が一線級の電子兵装を惜しみなく配置したことを示しています。そして、戦術コミュニケーションシステムには定評のあるダルバン電子社製のシステムを用いており、C3コンピューターとの相性も良いことが強みです。

仕様
機動力 4/6/3 6’646’179CB
放熱能力 36
装甲 192
武装 名称 装備位置
ER−PPC 右腕
2×大口径レーザー 右胴
2×中口径パルスレーザー 左腕
小口径レーザー 頭部

一般戦術
 ギャロウグラスは全く距離を選ばないメックです。ER−PPCと2門の大口径レーザーを主武器に用いており、遠距離から接近距離まで高い火力を維持できるからです。接近距離ではさらに、2門の中口径パルスレーザーが確実に相手の装甲を剥ぎ取っていきます。自分にとって最も有利な距離を選んで戦うようにしましょう。
 主戦機として戦場の中心で戦うこともでき、高台を占拠して支援機を演じることもできます。しかも、ガウスライフル主体のメックとは違い、接敵されても全く痛痒を感じません。むしろ中口径パルスレーザーを戦列に加えることができるので、火力は上昇します。

 基本的に遠距離ではER−PPC、大口径レーザー2門を撃っていれば過熱することはありません。
 近距離では走行して全力射撃すれば6点発熱します。これは大口径レーザーかER−PPCを射ち控えれば問題はない数字です。
 格闘距離にまで近寄っているのなら、パンチするために右腕のER−PPCを射ち控え、そうでないのなら大口径レーザーを射ち控えればいいでしょう。格闘距離で左腕の中口径パルスレーザーを射ち控える必要はありません。パンチをするよりは中口径パルスレーザー2門のほうが、ダメージにおいても命中率においても、ずっと効果的です(頭部へのヒット率は下がるかもしれませんが)。

対中量級以下の戦術
 ギャロウグラスではまず中量級以下相手に負けることはありません。遠距離から近距離まで、ギャロウグラスを上回る火力を持つ中量級以下はほとんど存在しないでしょう。

対重量級以上の戦術
 ギャロウグラスは非常に上手に設計されたメックです。同時代の重量・強襲級を見回してもこれよりバランスの取れたメックはほとんどないといっても過言ではないでしょう。あえて難を言えば、機動力が低いことと、一撃で巨大なダメージを与えうる距離を持たないことくらいです。
 相手の重量におびえずに、冷静に戦えばたいていのメックに対してそれなりの勝率を持ちます。気をつけることといえば、相手が特別得意な距離を持つメックであれば、その得意な距離はなるべくとられないこと、くらいです。



3020年代
GLT−4L ギロティン GUILLOTINE

背景
 星間連盟時代に設計されたギロティンは当時の標準的な重量級のデザインでした。中量級が主体の戦場に重火力を供給することが可能だったのです。しかし、技術の上昇によって、より重いメックの設計が可能になり、栄光は過去のものになってしまいました。機動力はともかく、火力では優秀な機体が出現したため、現代の戦場におけるギロティンの役割は、前線を支えることではなく、遊撃的なものになっています。

仕様
機動力 4/6/4 6’062’484CB
放熱能力 22
装甲 192
武装 名称 装備位置
大口径レーザー 左腕
SRM6 胴中央
弾薬(SRM6) 右胴
中口径レーザー 左胴
中口径レーザー 右胴
2×中口径レーザー 右腕

一般戦術
 ギロティンはこの重量にしてはめずらしくジャンプ能力を持っています。しかしこのジャンプジェットは高台占拠用でも水地突入用でもありません。遠距離能力をほとんど持たないギロティンにはこれらの地形を生かすことができないからです。あくまでも困難な地形を無視して敵に接近するためのものです。接近して大口径レーザー、中口径レーザー4門、SRM6で敵をなぎ倒してしまいましょう。

対中量級以下の戦術
 ギロティンにはほとんど遠距離攻撃力がありません。かろうじて大口径レーザー1門があるだけです。残念ながら、中量級以下に対しては負けない代わりに勝つことも難しいでしょう。中口径レーザーとSRMの射程に踏み込んできてくれることは期待できません。幸い、高い放熱能力のおかげで走行して大口径レーザーと中口径レーザー4門を射っても過熱しません(全力ジャンプしても2点の過熱です)。中距離や遠距離でも当たり目がある限りはがんがん射ちましょう。192点の装甲は中量級以下にとっては白壁にも等しいでしょう。そのうち勝機が見えてくるはずです。

対重量級以上の戦術
 とにかく近づくことです。遠距離から射ち合っていれば必ず射ち負けます。格闘距離まで寄っていって、全力射撃そして蹴りです。走行して全力射撃しても4点しか発熱しません。したがって長時間の射撃戦に有利です。どの武器も最低射程を持たず、長時間の全力射撃が行えるため、格闘距離で射ち負けることはまずないでしょう。

改造指針
 全ての武器を格闘距離で使用するメックの割に、腕に武器がついているのはいただけません。大口径レーザーも中口径レーザー2門も胴に持っていきましょう。弾薬への致命的命中率も少しは下がるはずです。
 それから普通の戦場ではほとんどジャンプジェットは使用することがありません。高台を占拠しているメックに近寄るために使うくらいでしょう。おもいきって取っ払ってしまってもいいでしょう。
 遠距離戦闘力を伸ばしたいのなら、余った4tで、SRM6を大口径レーザーに替え、放熱機を追加してもいいでしょう。ですが、これでは近接戦闘ではまったく戦力の上昇になりません。しかも過熱に問題が出てきます。
 遠距離攻撃力をすっぱりと諦め、近接戦闘力を強化したいのであれば、余った4tを小口径レーザーと放熱機に回してみてもいいかもしれません。また、6連マシンガンというのも悪くないかもしれません。




 野太刀一本、上州武士のように。
3060年代
NDA−1K NO−DACHI ノ=ダチ

背景
 シュタイナー=ダヴィオン家の連邦共和国がハチェットマンおよびその後継機アクスマンという傑作機を生み出したため、ドラコ連合はこれに対抗して独自でハチェットマンのコピーを試みました。しかし同じ水準のものを作り出すことはできませんでした。そこで今度はドラコ連合独自のメックの開発を進めたのです。
 ところが、テストパイロット達は一様にハチェット装備のメックを嫌うという事態が起きました。現代のサムライたちの心理はハチェットを美しくないと感じているのです。
 かくてカタナを装備したメックが現れました。

仕様
機動力 5/8/0 17’628’886CB
放熱能力 20
装甲 192
武装 名称 装備位置
ER−PPC 左腕
MRM20 左胴
MRM20 右胴
弾薬(MRM20)2t=24射 左胴・右胴に1tずつ
SRM4 胴中央
弾薬(SRM4)1t=24射 胴中央
SRM2 左腕
弾薬(SRM2)1t=50射 左腕
中口径レーザー 頭部
メック用ソード 右腕
TSM(三重結合筋繊維) 左右胴に3個所ずつ装備欄を占有

一般戦術
 SRM2、SRM4、ERPPC、2連MRM20、中口径レーザーと十分な火力を備えたメックですが、その真価は何と言ってもメック用ソードでしょう。メック用カタナ、TSM(三重結合筋繊維)と70tの結合は最大16点という近接戦闘力を与えているのです。これを活かさない手はありません。
 このメックはとにかく接近することです。遠距離戦闘能力はER−PPC一門しかなく、このクラスのメックとしては非常に心もとない数字です。MRMの中距離である8距離に近づくまでは「路傍の石」扱いをされるでしょう。
 しかし、たとえ当たり目がほとんどなくても、PPCやMRMを射撃するべきです。TSMを装備したメックにとっては程よい発熱こそが最強の武器なのですから。
 いかにして発熱を保ったまま格闘距離に貼りつくかという、メック戦士の技量が問われる機体といえるでしょう。

対中量級以下の戦術
 XLエンジンが普及してしまった今、5/8/0(TSMの発熱効果で6/9/0)の機動力は、中量級以下が相手ではなかなか接敵させてくれません(それでもこのクラスのメックとしては過分なほどの機動力ですが)。それでもうまく発熱しつづければMRMの射程に捉えつづけることは可能なはずです。中量級以下でこの火力に対抗できる機体はほとんどありません。2連MRM20とER−PPCで相手を鉄屑に変えてしまいましょう。

対重量級以上の戦術
 やはり最大の弱点は遠距離攻撃能力の低さです。このクラスにしては高い機動力を活かして一にも二にも近寄りましょう。一旦格闘距離に持ち込んでしまえば、強襲級とでも互角以上に渡り合える戦闘力を持っています。
 格闘距離に近寄るまでに1射くらいは当たっていると期待できる2連MRM20のダメージは全身に分散します。したがってカタナがどこに当たってもたいていのメックの中枢に入ることが期待できます。ノ=ダチに搭載されている兵器は全て最低射程を持ちません。しかもTSMのおかげで多少の発熱はありがたいくらいなのです。爆発的な近距離の破壊力をもって一気に勝負を決めてしまいましょう。
 近距離での猛烈な射撃で敵メックをゆるがせた後、7mのカタナで止めを刺す。そんなサムライ魂を奮わせるような機体です。
 ただし、192点の装甲は重量級以上と格闘距離で立ち会うにはやや心細いものがあります。ひとたび格闘距離に近づいたら後がないものと考えて勝負に挑みましょう。


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