メック解説&運用(35t)

 ファイアスターター




 パリ森は燃えているか
3050年代
FS9−S ファイアスターター FIRESTARTER

背景
 前線を支えるべく設計されたメックと違い、星間連盟時代の技術が導入されることは全くなかったファイアスターター・シリーズなので、連邦共和国の技術部がFS9−Sの試作機用のエンドゥースティールを注文したときには、中心領域中の軍事関係者が驚いた。
 ここ10年の間にいくつかのバージョンのファイアスターターを世に送り出してきたコベントリー金属社はこのメックにエンドゥースティールを用いて、他の装備を搭載する余裕を与えた。同社は細かいところではマシンガンを全て取っ払ってシュアファイア444型ミサイル迎撃システムに置き換えた。大きなところでは電子装備をすべて取り替えたことがあげられる。
 ファイアスターターは通常、大隊ごとあるいは連隊ごとに1機くらいずつ配備され、特定の目的に特化した電子戦力を供給してきた。例えば3049年の連邦共和国首都ターカッドでは隠れた敵を発見することには定評のあるサイクロプス社製ビーグルアクティブプローブが搭載された。
 この換装の便利さが広く知れ渡ったために、他のバージョンのファイアスターターもビーグルアクティブプローブやガーディアンECM機構を装備するようになった。

仕様
機動力 6/9/6 3’241’688CB
放熱能力 10
装甲 88
武装 名称 装備位置
火炎放射器 左腕
火炎放射器 右腕
火炎放射器 胴中央
火炎放射器 胴中央(背面)
中口径レーザー 左腕
中口径レーザー 右腕
小口径レーザー 右胴
ミサイル迎撃システム(AMS) 左胴
弾薬(AMS) 左胴
ビーグルアクティブプローブ 左胴

一般戦術
 ファイアスターターはがんがん射ち合いをするようには設計されていません。戦場では隠れた敵をビーグルアクティブプローブで発見したり(と言ってもあまりこんな機会はないのですが)、敵がこもりそうな/こもっている森林ヘクスを焼き払うくらいしかできません。実戦に使える武器が中口径レーザー2門ていどでは、明らかに火力不足です。
 基本的に、ジャンプで飛び回って敵を翻弄し、隙を見ては中口径レーザーを射ち込むという戦い方になるでしょう。6ヘクスジャンプで背面を取って中口径レーザー1〜2門を撃ったりしていれば、敵も戦力を割り振ってくれるでしょう。そうなれば囮の役割は十分果たしたことになります。
 火災ヘクスの上を通過したり、火災ヘクスの上で移動を終了したりすると熱が与えられます。どうせ熱が発生するのなら、火をつけた後はジャンプで移動しましょう。

対軽量級の戦術
 軽量級中もっとも重い部類に入る35トンなだけあって、6/9/6の移動力、88点の装甲、中口径レーザー2門の火力はちょっとした軽量級となら互角に戦うことができます。
 相手がマシンガン、小口径レーザー、各種パルスレーザーが主体のメックなら、なるべく距離をおいて戦いましょう。
 相手が中口径レーザー、SRMが主体のメックなら、接近して小口径レーザーを戦列に加えましょう。とくにAMSはSRM主体のメックを相手にする際、わずかな時間ですが貴重なアドバンテージを与えてくれます。その時間のあいだに差をつけておきましょう。

対中量級以上の戦術
 ファイアスターターには中量級以上の相手はまず務まりません。なるべく飛び回って時間を稼ぎ、味方の援護を待つか、過熱覚悟で積極的に火炎放射器を含めた攻撃を行って、囮として敵の攻撃を引き付けましょう。


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