オークホードの成立

 役に立たなくなったネルズールに見切りを付けたキルジェデンは、ネルズールの弟子のグルダンGul'Danに目を付けます。師匠よりもはるかに権力への渇望の強いグルダンは、ためらうことなくオークたちを戦闘組織、ホードHordeへと改編していきました。
 グルダンは影の評議会Shadow Councilという地下組織を作り上げ、それまでドラエナーには存在しなかった呪術、闇の力を操るウォーロックWarlocたちを作り上げて、オーク社会を裏から操るようになりました。
 グルダンの切り札はこの影の評議会ともうひとつ、ハーフオーク=ドラエネイのガロナGaronaという凄腕の暗殺者でした。ガロナはグルダンのやり方に反対する族長たちを暗殺し、ホードの成立に大きな寄与をしました。

 オークたちの間から穏和さが失われ、高貴なシャーマン文化は忘れられ、隣人種族への不信と侮蔑が育っていきました。
 このような状況に警鐘を鳴らしたのはフロストウルフFrost wolf氏族の族長デュロタンDurotanでした。彼はグローム・ヘルスクリームGrom Hellscreamのような者でさえもホードに参加することに危機感を抱いていました。

 キルジェデンは最後の仕上げとして、影の評議会にピットロードPitlordのマノラスMannorothを召喚させ、マノラスの血でオークたちを血の狂乱へと追い込むことを計画しました。
 グルダンは各族長を呼び寄せて血の儀式へと参加させます。結局、デュロタンを除くほとんど全ての族長がマノラスの血を飲みました。
 (この時、弟子に実権を奪われて強制的に引退させられていたネルズールが、デュロタンに血を飲ませなかったとも言われます)
 こうしてオーク族はバーニングレジオンの奴隷となり、破壊衝動に取り付かれることになりました。

 キルジェデンの復讐の準備は整いました。キルジェデンは影の評議会を介して、かつての同胞たちへの攻撃を命じました。
 オークたちは血の渇きに導かれるまま、ドラエネイたちを殺戮しはじめます。実に8割ものドラエネイがこのとき命を落としたとも伝えられます。
 
 



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