ネルズールの計画

 二次大戦はオーク族の敗北に終わり、オークの各氏族は各地で捕らえられて、収容所へ送られていました。
 しかし、執拗なアライアンスの追跡をかわし、ドラゴンモウをはじめいくつかの氏族が逃げ延びていました。
 キルログ・デッドアイKilrogg Deadeye率いるブリーディング・ホローBleeding Hollow氏族はついにダークポータルを再起動し、ネザーガード要塞をかく乱して、その隙にアゼロスからドラエナーへの帰還を果たしました。
 メディヴの手引きで初めてストームウィンド城を攻撃し(攻撃自体は失敗に終わりましたが)一次大戦が始まってから30年もの間、キルログとブリーディングホロー氏族は戦い続けてきました。

 キルジェデンKil'jaedenの意を受けてオーク族を支配していたグルダンは二次大戦のさなかに没し、ウォーチーフであるオーグリム・ドゥームハマーはヒューマン族に囚われの身となり、オークたちは混乱していました。
 このときネルズールは再び政界に現れ、オークたちを掌握しました。もはやオークを影から操っていた影の評議会Shadow Councilは存在せず、ネルズールを阻むものはいませんでした。
 
 実権を掌握したネルズールは、まずサンダーロード氏族とボーンチューワー氏族を討伐します。この二つの氏族は独自にアゼロスへの無計画な侵攻を続けようとしていたからです。
 ネルズールはアゼロスへの軍事行動も含めて、ある目的のために計画的に事を進めようとしました。
 彼はウォーソング氏族のグローム・ヘルスクリームと、帰還したばかりのキルログに命じ、素早く動く軍隊を用いてドラエナーとアゼロスの各地からさまざまなアーティファクトを取り寄せました。その中にはかつての弟子グルダンの頭蓋骨も含まれています。
 また、かつてメディヴがダークポータルを開くために用いた文献を手に入れました。(ネルズールが自らニューストームウィンドの図書館を訪れたという話と、滅ぼされたアルテラックの民が図書館から強奪してネルズールに渡したという話があります)

 ネルズールは他の血に飢えたオークたちに対し、これらの軍事行動は、アゼロスへの再侵攻と新たなる支配の地へのポータルを開くため、と説明しました。
 しかし、その真意は、デーモン・キルジェデンの魔手からオークたちを保存し、血の呪いから解放するための避難地となる土地へとオーク族を導くというものでした。

 しかし近い将来、これが、ドラエナーに決定的な破滅をもたらすことになってしまいます。



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