二次大戦は終わりました。
ヒューマンアライアンスは勝利を収め、偉大なる魔道士ConjurorのカドガーKhadgarは神秘Arcaneの嵐を巻き起こしてダークポータルを破壊しました。しかし、彼の力をもってしてもダークポータルを破壊しつくすことはできず、球状のポータル―次元の裂け目Rift
Scar―は残り続けました。
生き残ったアゼロスのコンジャラー達とダラランのキリントーの魔術師Magiたちはダークポータルを監視するためにネザーガードNethergarde要塞を建設する事を主張し、容れられました。
オーグリム・ドゥームハマーをはじめとするオークたちのほとんどは捕らえられ、収容キャンプへと送り込まれました。オーク族を全て処刑するよう主張する国もありましたが、ローデロンのメネシル王はそれらを退けました。メネシル王はドゥームハマーとの取引に魅力を感じていたからです。
また、オークの収容キャンプの維持運営費もアライアンスに所属する各国に重くのしかかりました。
このため、ヒューマンアライアンス内部の対立が吹き上がり、ゲン・グレイメイン率いるギルニアス国と戦王ソラス・トロールベイン率いるストロームガードがアライアンスを離脱しました。また、これと前後してハイエルフ族(ブラッドエルフ)もアライアンスを離脱しました。
(ハイエルフ離脱の時期や理由については、作品や年代記によって異同があります)
よみがえったアゼロスのストームウィンド王国ではアダマントの孫、レインLlaneとバリアVariaリンWrynn夫妻の子、バリアン・リンVarian Wrynnが新国王として即位しました。
かつてヒューマンの7国とハイエルフ、ドワーフを集めた大いなるヒューマンアライアンスも、粛清と内部分裂により、もはや以前の力は残されていませんでした。しかし、脅威はなお去らずに、彼らの上にとどまっていたのです。
ある日、ブラックモラスBlack Morass(Swamp of SorrowsとBlasted Landの総称)一帯を魔法の闇が覆いました。11人の監視員やキリントーの魔術師達は幾百人もの軍隊の行進とドラゴンの鳴き声が闇をとおして響きわたるのを聞きました。
そしてこんな声が彼らの耳に届きました。
――(いつの日か)我らこの地に帰り来たらん。
闇が晴れると、軍隊は跡形も無く消え去っており、多くの足跡がダークポータルへと消えていました。