カドガーの決断

 この時、ネルズールはオークの民の避難所となるはずの世界に向けて、新たなポータルを開こうとしていました。
 しかし、新しいポータルはドラエナーの大地に大きな負担をかけてしまいました。
 ポータルが開かれるにつれ、大地は震え、世界の基礎構造が崩壊していきました。
 ネルズールがドラエナーの民を救うために行った儀式のために、アライアンスは軍勢を差し向けて戦塵がこの地を覆い、挙句にはドラエナーは破滅することになったのです。

 ネルズールがヘルファイア半島を望見すると、彼が救うべきオークの民は、アライアンスの軍勢に押されて、新ポータルまでたどり着くことはかないそうにありませんでした。
 絶望に駆られたネルズールは、自らの命だけは守りたいという一心で、オークの民の到着を待たずにポータルに飛び込んでしまいます。
 

 カドガーもまた、ドラエナーが破滅に瀕している事に気づきました。
 彼は、世界の基礎の崩壊がダークポータルを通してアゼロスにまで波及する事を恐れました。それを防ぐためにはダークポータルをドラエナー側から破壊する必要がありました。
 押し寄せるオークの軍勢の中でカドガーは、グルダンの頭蓋骨を用いて儀式を行い、ダークポータルを破壊します。
 ダークポータルが破壊された後には、次元の裂け目だけが残されました。
 アライアンス軍は武器と負傷者をまとめると、カドガーに従って、次元の裂け目にはいっていきました。
 トゥウィスティングネザーの渦に消えて行ったカドガーらの行方は知られていません。

(オークの氏族の中で、グロム・ヘルスクリーム率いるウォーソング氏族とシャッタードハンド氏族だけが、カドガーの破壊前にダークポータルを潜ってアゼロスへの脱出に成功しました。)



BACK