アライアンスAllianceの結成

 南方の大陸アゼロスAzerothが敗北し、オークによって占領されると、北のローデロンLodaeron大陸の諸種族は連合軍Allianceを結成してこれに対抗することになりました。

 アンドゥイン・ローサーAnduin Lotharはストームウィンド王国Stormwind(アゼロス王国)が滅亡した後、ある決意を抱いて、生き残った民を導いてローデロンにやってきました。
 一次大戦の折、ストームウィンド国王レイン・リン3世Llane Wrynn IIIはヒューマン族の力を過信し、ローサーらの警鐘を無視して、十分な防備を怠っていました。彼はオーク族の脅威を甘く見ていました。リン王が気が付いたときにはすでに遅く、ストームウィンド王国は体勢を立て直すこともできずに滅亡してしまいました。
 この苦い経験から、ローサーは、カズモダンKhaz Modan地峡とローデロン大陸の全ての種族が力を合わせてオークに当たるよう働きかけました。

 ローデロン王テレナス・メネシル2世Terenas Menethil II(アーサスの父に当たる人物です)はローサーに賛同し、7つの人間族の王国とハイエルフHigh Elf族(のちのブラッドエルフBlood Elf)とドワーフDwarf族をまとめ上げてアライアンスを結成しました。
 (ローデロン王国はローデロン大陸の諸王国の盟主的存在だったようです)

 この時アライアンスに参加したのは、

・アゼロス難民(アンドゥイン・ローサー国王代理)
・ローデロン王国(テレナス・メネシル2世)
・ストロームガルドStromgarde市(ソラス・トロールベインThoras Trollbane王)
・クル・ティラスKul Tiras諸島(デリン・プラウドムーアDaelin Proudmoore大提督 ※ジャイナ・プラウドムーアの父です)
・ギルニアスGilneas国(ゲン・グレイメインGenn Greymane王 ※正式にはアライアンスに参加していません)
・ダラランDalaran(キリン・トーKirin Tor評議会)
・アルテラックAlterac国(ペレノードPelenorde王)

・シルバームーンSilvermoon王国(ケルサラスQuel'Thalasの森のハイエルフ族)
・アイアンフォージIron Forge王国(カズモダーンKhaz Modan地峡のドワーフ族)

 これらの国々です。
 当初それぞれの思惑から諸国は分裂していましたが、ローサーの古い友人であるクル・ティラスのデリン・プラウドムーア提督が賛意を表明し、ストロームガルドの戦王トロールベインが参加を決めると、他の諸国も続々とアライアンスに加入しました。
 アルテラック王国のように、内心ではオークに降伏して無駄な流血を避けることを考えている国もありましたが、一応ヒューマンとヒューマンに友好的な種族が団結してオークと戦う基礎が作られました。
 また、アイアンフォージのドワーフたちが参加し、人間との交流が絶えて久しかったシルバームーンのハイエルフがアライアンスに協力を申し出ました。特にハイエルフの駆逐艦はクルティラスを除いて海上戦力に乏しいアライアンスにとって大きな力となりました。
 さらに、ハイエルフとのみ交流をし、同胞のドワーフとの交流が絶えていた北のドワーフ族(現在のワイルドハマーWildhammer氏族に相当すると思われます)がグリフォンライダーを戦力として提供しました。彼らグリフォンを操るドワーフたちは、ハイエルフ以外のだれも信用しませんし、彼らはヒューマンもアイアンフォージのドワーフもアライアンスそのものについても懐疑的ですが、戦場では獅子奮迅の働きを約束します。
 このときのアライアンスにはノームGnomeの飛行機械と潜水艦が戦力として見られることから、ノームたちもこの時期にアライアンスに協力していたとみられます。

 アライアンス結成の時期、ローサーと共にローデロンに逃れてきたノースシャイアNorthshire修道院のアロンサス・ファオルAlonsus Faol大司教はローデロンの騎士ウーサー・ライトブリンガーUther Lightbringer卿とともにクレリックの組織を改変し、彼らを騎士として教育してパラディンPaladinと呼ばれる集団を作り出しました。聖衣を捨て鎧を着たこの聖騎士部隊は銀手騎士団Order of Silverhandと名乗りました。
 (後に、自らの正義を追求するあまり、狂気と殺戮に走ってしまったパラディンたちも、この頃は理想に燃えた集団でした。)



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