大航海時代オンライン
DOLに登場するNPCsめも
オスマントルコ
Osman/Ottoman-turk
〜多民族・多宗教を内包する寛容なイスラム国家〜

 オスマン帝国はアナトリアに発祥し、地中海を支配した大帝国です。その版図は小アジア、アラビア、東ヨーロッパ、バルカン半島、エジプト、北アフリカに及びました。
 イスラム教の法体系を中心においていますが、首都のイスタンブールの人口の四割は異教徒であり、イスラム教、キリスト教各派、ユダヤ教、ヒンドゥー教、さらにはマニ教や仏教まで信仰されていました。(▼ 豆知識参照
 現在のイスラム国家と比べても異教徒に対しては寛容で、周辺地域から多数の人々が流入しました。特に、ヨーロッパでは迫害されたユダヤ教徒や異端派キリスト教徒が多くオスマンに亡命しました。

 実力と運に恵まれれば、奴隷から大臣に出世することも珍しくありません。そのため、海の世界でも、多くの冒険者や軍人志望者たちがヨーロッパから流入しました。そしてそれは海賊にもあてはまりました。

 オスマン帝国は、1560年代に遅ればせながら大航海時代に参加し、アチェなど香料諸島に領土・同盟国・植民地を獲得しました。現在でもアチェの教会には、オスマンの大砲を溶かして作った鐘を見る事が出来ます(アチェは19世紀に陥落するまでオスマンの同盟国でした)。

 フランスとは 強力な同盟関係 にあり、経済・軍事面での交流が盛んです。
 ヴェネチア、ジェノヴァとは同盟敵対 を繰り返していますが、経済的にはこの二国との結びつきが強いです。
 イスパニアとは地中海の覇権を巡り、激しい敵対関係にあります。

 イングランド とは、通商条約を結び、経済的に交易関係 がありました。(大航海時代が終わり、産業革命の時代になると、オスマン海軍の近代化にイングランドが大きく寄与します)
 ポルトガルとは東南アジアの覇権を巡って対立しています。
 ネーデルランドとは対イスパニア作戦で共闘 しています。ネーデルランド独立運動の資金 の一部は、フランスを経由してオスマン帝国から出ていたとも言われます。

                    ワ−ン 



ア行


リオーノ・アヴァンチュラ
〜ヒーローは遅れてやってくる〜

ティレニア海。アルジェ沖。
重ガレー*3。ラムアタック。
漕船。水平射撃。 修理。 銃撃。突撃。
(仕込み爆弾。ラクダ毛。47レベルで経験137。67kD。)

 『大航海時代2外伝』に登場。サルヴァドル・レイスの部下。
 ハイレディン・レイスに対し絶大な忠誠心を抱いている。
 命令に忠実な一方で義理堅い側面も持つ。


――「お頭は俺を拾ってくれた。イスパニアのヤツらに土地を追われ、行き場の無かった俺を救ってくれた。そしてニコシアでドジをふんだこの俺を、それでも必要としてくれた。だから……、俺はあんたを止めなきゃならないのさ。」





サリド・アジャール

地中海。
重ガレー*1、ガレー*2。
援軍要請。漕船。水平射撃。 外科医術。 戦術。 大錐。
(シミター。沈静の旗。羊肉。レベル47で経験13。33kD。)

 『大航海時代4』に登場。
 バルバロッサ・ハイレディン・レイスの副官。


――「おいおい、さっきの勢いはどうした? 無敵艦隊に勝とうと思ってんなら、俺たちを張り合うくらいの心構えはあるだろうが!」




レオ・アフリカヌス (アル・ファシ) Leo Africanus (Al Fasi) ?-1554

〜『アフリカ誌』の著者〜
チュニス。レオ・アフリカヌス邸。
港・集落発見報告。 生存。行軍。採集。

 実在の人物。
 『大航海時代2』『外伝』に登場。

史実
 本名は「ハサン・イブン・ムハンマド」。「アル・ファシ」、「アル・ワザーン」とも。
 ナスル朝グラナダ王国出身。
 1492年、キリスト教勢力によってナスル朝が滅亡すると、ムスリムへの弾圧が始まり、多くのイスラム教徒が亡命した。彼もマグレブ(北アフリカ)のモロッコのフェズに亡命し、アル・カライーン大学で学んだ。
 その後、サハラ中継交易で栄えたソンガイ帝国のトンブクトゥを訪れ、冒険記を残した。
 地中海を旅行中に海賊に捕らえられ、イタリアに売られる。奴隷としてローマ教皇レオ10世に仕えるが、改宗して自由の身になった。
 学識・学才ともに高く、アフリカ知識に関してはヨーロッパでは並ぶ者がなかったと伝えられる。
 著書『アフリカ誌』を通して、ヨーロッパにアフリカの情報を多く発信した。
 後、チュニスに移住して、再びイスラム教に改宗した。





ウルグ・アリ
〜奴隷から大都督に〜

地中海。
ガレアス*1、重ガレー*3。

 実在の人物。
 「オキアーリ」とも。
 『大航海時代2外伝』ではハイレディンのライバルとして登場。(史実では後継者)
 イタリア出身。少年時代に奴隷としてオスマンに売られ、そこから出世を重ねて、ついにカプダン・パシャにまで上り詰めた。
 レパントの海戦ではドン・フアンやジャン=アンドレア・ドーリアらに敗れたものの、オスマン艦隊の中で唯一戦闘隊列を保ったまま帰還した。その後、一冬の間にオスマン海軍を再建した。


――「しかし、アルジェの海賊王がこんなガキに船を任せるとは。ハイレディンも焼きが回ったものだ。」




ラーマン・クスト・アリ
〜ラ・ヴァレッテのライバル〜

黒海。
重ガレー*2、大型ガレー*2。鎖弾。ぶどう弾。
漕船。水平射撃。 外科医術。 突撃。戦術。銃撃。
(名工の大工道具。大理石。46レベルで経験316、名声54。77kD。)







大宰相イブラヒム  -1536 Ibrahim Pasha
〜黄金時代を支えた名宰相〜

イスタンブール。宮殿。
海洋生物報告。

 実在の人物。ギリシャ系。
 奴隷出身。漁師の子とも言われる。ギリシャ語・トルコ語・イタリア語・ペルシャ語に通じていたと言われる。スレイマンの妹を妻として、大帝の義兄弟となった。
 内政・外交ともに大きな功績を上げた。
 大航海時代を通して行なわれたフランスとの強力な同盟関係は、イブラヒム時代に原型が作られた。ヴェネツィアへの大量の資金援助 や、イタリー諸国の芸術家のパトロンとしても知られる。
 ロッサーナと対立し、処刑された。(ロッサーナによって暗殺され、それがスレイマンによって追認されたとも言われる)

 スレイマン大帝に宮殿に泊まっていくよう勧められ、翌朝、寝室で縊死体となって発見された。




アル・ヴェザス
〜目標は孤児院建設〜

黒海。
ジーベック*3。
援軍要請。弾道学。速射。 異臭の香。轟音弾。
(刃こぼれしたシミター。大理石像。46レベルで経験20、名声70。43kD。)


 『大航海時代2』の主人公。旗艦は≪サヴァーニ≫(友人)号。
 持ち前の弁舌を生かして町の人々から融資を募り、億万長者めざしてジャハーン・サリムとともに海に乗り出すが、妹やシャイロック頭取との出会いによって、ある夢を持つようになる。
 生き別れの妹を探している。
  『大航海時代2』ではイスタンブールの酒場娘ラディアにプロポーズするが、DOLではラディアは「この店は亡き夫のもの」という意味深な台詞を吐く。ラディアには前夫がいたのか、あるいはアルはラディアに酒場を残して先立つのか、あるいは結局はラディアに振られたのかは不明。


――「相手が少しでも興味を示せば、後は俺の舌先次第で金を出させてみせるさ。」






カ行


ウズン・カイフ

地中海。
ガレアス*1、ジーベック*3。





ガーズィ・ケマル
東地中海
重ガレー*2。大型ガレー*1。ぶどう弾。鎖弾。
援軍要請。水平射撃。漕船。 外科医術。 防御。戦術。突撃。銃撃。
(チャドリ(緑)。シミター。スイセン。レベル46で経験202、名声36。40kD。)





サリーム・ゴヴデ

黒海。
大型ガレー*3。
援軍要請。弾道学。 外科医術。 防御。突撃。 轟音弾。
(シミター。羊肉。46レベルで経験20、名声48。33kD。)

 『大航海時代2』に登場。オスマン戦艦隊提督。




サ行


ジャハーン・サリム
〜「きっと見つかるさ。貿易しながら世界中を回ろうぜ。」〜

東地中海。ベイルート前。
商用キャラック*3。
弾道学。
(断罪の刻印。綿花。レベル46で経験4、名声39。10kD。)

 『大航海時代2』に登場。
 アル・ヴェザスの友人。父の形見の船に乗って、アル・ヴェザスとともに海に出る。


――「サ、サファさんですか。…あ、あの…俺…じゃなくて、僕、ジャハーン・サリムと言います。」




ムシャリ・エス・シドラ

黒海
重キャラック*3。
弾道学。速射。 外科医術。 異臭の香。
(アラビアンシューズ。鉄鉱石。46レベルで経験16、名声26。10kD。)

 『大航海時代4』に登場。ハードゥム・アフメト・パシャの部下。




メフメト(マホメット)・シャルーク
〜「 歯向かう者には死あるのみだ。…もっともこれはハイレディンの言葉だがね。」〜

アレクサンドリア。シャルーク邸。
化石発見報告。統率。武具取引。

 実在の人物。
 『大航海時代2外伝』ではハイレディンのライバルとして登場。ハイレディンの元部下だったが、妥協を許さない首領の方針に反発して、袂を分かった。

 史実ではハイレディンの部下/後継者のひとり。レパントの海戦に参加。

――「ここにいるのは共に生きるべき仲間だ。ヤツらとは違うんだぞ!」

――「ホーレス、お前がついていながら、この少年にハイレディンと同じ道を歩ませるのか……」




ジョカ・ダ・シルバ
〜「この要塞は、陸の上でのうのうと生きているヤツらに突きつける神の剣だ!」〜

東地中海。
重ガレー*3。
漕船。接舷。回避。 外科医術。 戦術。銃撃。偽造通信文。
(綿生地。白煙弾。レベル47で経験86。22kD。)

 『大航海時代2』に登場。若く野心にあふれるアルジェ海賊。
 海の民を守る「盾」としてある計画を進めるハイレディンに対し、その計画を海の民の振るう「剣」として用いようとする。


――「甘い。甘いなあ、サルヴァドル。目障りなヤツは迷わず叩き斬る。それが俺たち海賊のやり方じゃないか。なあ、お頭。」




ダーラー・スィン

黒海。
大型ガレー*1、ガレー*2。ぶどう弾。
援軍要請。弾道学。回避。 外科医術。 防御。戦術。銃撃。 白煙弾。
(トルコ絨毯。金細工。46レベルで経験13、名声54。30kD。)




タ行


ホーレス・デスタルデ

地中海。
重ガレー*4。ぶどう弾。
漕船。接舷。回避。 外科医術。 防御。突撃。銃撃。戦術。偽造通信文。
(綿生地。レベル47で経験86。28kD。)

 『大航海時代2外伝』に登場。アフリカ系。
 アルジェ海賊の一員。サルヴァドル・レイスの副官。割と常識人。


――「さては、若、またあっしに黙って何かやらかしたんでしょう。」




ナ行


イブン・ニヤーディー
〜留守番役〜

ペルシャ湾。
ジーベック*3、サムブーク*1。
援軍要請。弾道学。回避。 外科医術。 戦術。防御。
(乳香。レベル43で経験55、名声88。67kD。)

 『大航海時代4』に登場。ウッディーンの後見人。
 ウッディーンが漫遊に出ている間、国元を治め、さらに資金援助まで行なう。




オスマン私掠艦隊(ボスポラス海峡)
大型ガレー*2、強襲用ガレー*1。
水平射撃。漕船。 修理。 防御。突撃。
(鉄鉱石。レベル46で経験31、名声42。7kD。)




ハ行


シナーン・パシャ

トリポリ。シナーン・パシャ邸。
大型生物発見報告。 機雷敷設。古代エジプト語。接舷。

1)シナーン・パシャ Sinan Paşsha  ?-1553

 実在の人物。
 ユダヤ人。
 アルジェ海賊の指揮官の一人。ドラグート・レイスの同僚。
 クロスボウを四文儀代わりに使用して現在位置を割り出すという特技を持っていたことから、「魔術師シナーン」の異名で呼ばれた。


2)シナーン・パシャ Sinan Paşsha ?-1596





ハードゥム・アフメト・パシャ
(DOL未登場)

 『大航海時代4』に登場。
 オスマン帝国こそカリフ(イスラム教の最高指導者)にふさわしいと信じて行動する人物。カリフの継承を示す事になる遺品をさがしている。
 東地中海一帯に強力な勢力を持ち、多数の軍用ガレアスを擁する強敵。
 ハイレディン(の息子)から「俺よりももっと恐ろしい男」と評される。




アミル・フサイン

黒海。
ジーベック*2、大型ガレー*1。
援軍要請。接舷。漕船。回避。 防御。戦術。銃撃。 偽造通信文。
(大理石。46レベルで経験48、名声66。43kD。)




ザガノス・ベイ

ペルシャ湾。
ジーベック*3、重ガレー*1。
援軍要請。弾道学。速射。 修理。外科医術。
(43レベルで経験258、名声91。89kD。)

 『大航海時代2』に登場。オスマン商船隊提督。



チュマン・ベイ

アレクサンドリア。太守執務室。



マ行


ムヒッディン
東地中海
ジーベック*3、サムブーク*1
援軍要請。貫通。水平射撃。 防御。
(轟音弾。大理石像。46レベルで経験25、名声87。67kD。)
白兵では防御連打。




カラ・メフメト
イスタンブール。カラ・メフメト邸。
生物学。 宗教遺物発見報告。 アルタイ諸語辞書製法。アルタイ諸語翻訳メモ製法。

 実在の人物。




ヤ行


イスカル・ヤサール

黒海
ガレアス*1、ジーベック*2。
援軍要請。弾道学。速射。 修理。
(アラビアンシューズ。トルコ絨毯。レベル46で経験232、名声34。15kD。)

 『大航海時代2』に登場。オスマン戦艦隊提督。




ラ行


カラ・ルームルー

東地中海。
大型ガレー*1、ガレー*1、ダウ*1。
援軍要請。弾道学。 外科医術。 防御。
(綿生地。46レベルで経験10、名声46。30kD。)




アイディン・レイス ?-1534 Reis, Aydin (Aydın / Aydin Caramano / Caja-Diabolo / Catch-the-Devil / Cachi-Diablo)
〜擒悪魔〜
(DOL未登場)

 実在の人物。「アイドゥン Aydın」とも。

 『大航海時代2』『大航海時代2外伝』ではハイレディン・レイスの弟、サルヴァドルの叔父として登場します。
 アルジェ海賊の副首領で、ホーレスからは「黒ひげの旦那」と呼ばれています。

史実
 史実ではハイレディンの部下/後継者のひとりでした。
 出身地(カラマン Caramania/Karaman)の名を取って「カラマノのアイディン」とも呼ばれていました。キリスト教徒 だったという説もあります。
 また、カーチャ・ディアブロ(悪魔殺し)の異名でしられました。
 「レイスReis」は「Captain」の意です。

――「裏切り者は生かしておかぬ。せめてこの俺が誇り高きバリエンテとしてお前を葬ってやる。」





ウルージ・レイス Reis, Oruç Barbarossa (Aruj / Hourusce) ?-1518
〜最初の海賊王〜

ガナドールシステム紹介イベント「ウルージ・レイス見参」。ガナドール。



 実在の人物。「ウルージ・バルバロッサ」あるいは「バルバロッサ・ウルージ」。
 アルジェ海賊の創始者。バルバロッサ・ハイレディン・レイスの兄。

 人参のように真赤なヒゲを持っていたと伝えられる。そのため、「バルバロッサ(あかひげ)」と呼ばれた。ただしこの呼び名は「Baba Aruj バーバ・ウルージ(ウルージおやじ)」の転訛だという説もある。
 史書によっては、後継者である弟のハイレディンとともに「バルバロッサ兄弟」と呼ばれる事もある。
 敵に対しては残酷だったが、戦場や謀略以外での流血を好まず、部下や奴隷や捕虜たちから愛されていたと伝えられる。

 レスボス島出身。3人の弟を率いて海賊稼業に身を投じた。
 ベジャイア攻略戦で負傷して片腕を失う。
 北アフリカ沿岸で海賊稼業を行なうかたわら、チュニスやベジャイアなど陸上の拠点を手に入れようと奮戦した。
 1516年、国王フェルナンドが死亡しイスパニアが混乱している隙に、アルジェに入城して支配者となる。
 1517年、イスパニアのヒメネス枢機卿の派遣したディエゴ・デ・ベイラの討伐隊七千名を破ってアルジェ支配を確固たるものとする。
 翌1518年、イスパニア新国王カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)の率いるイスパニア軍と、コマーレス侯ディエゴ・デ・コルドバの率いるオラン軍の連合軍に攻められて、弟イサークとともに戦死する。
 一旦は戦場を離脱したものの、取り残された部下を救うために何度も戦場に取って返したために戦死したと伝えられる。

 ウルージの死後、兄弟中で最後に残った弟のフズル(ハイレディン・バルバロッサ)が跡を継いで、アルジェ海賊の全盛期をもたらした。


「ウルージはその時対岸に渡っていて安全だったが、殿軍の叫びを聞いてとってかえした。この大海賊は部下を見捨てるような男ではなかったから、少しもためらわず、川を渡り返し、乱軍中に突入した。(中略)。みな斃れるまで戦った。その中に獅子の狂うがごとく、残った隻腕でむらがる敵とわたりあうバルバロッサの雄雄しい姿が最後までのぞまれた。」――レイン=プール『バルバリア海賊盛衰記』




サリーフ・レイス 1488-1568 Salih Reis
〜歴戦の老提督〜

黒海。
ガレアス*1、重ガレー*3。ぶどう弾。
援軍要請。漕船。接舷。回避。 修理。外科医術。 突撃。銃撃。
(鉄鉱石。レベル46で経験549、名声77。84kD。)
白兵能力高し。

 実在の人物。オスマン私掠艦隊提督。
 アイディン・レイスの同僚。父はハイレディン・レイスの親友だったと言われる。

 1529年にアイディンとともにフォルメンテラ沖海戦でイスパニアのロドリゴ・ポルトゥンドを破った。
 プレヴェザ海戦にも参加。右翼分遣艦隊司令官。
 トリポリ攻略、モロッコ攻略などに参加。オスマン帝国の版図を大西洋に広げた。

 1555年には、フランス=オスマン共同作戦に参加し、ベジャイア (ペジャイア/ベジール/ブジーア/ブジーヤ)を攻撃(フランス軍が海上攻撃を担当、アルジェ系オスマン軍が陸上攻撃を担当)。14日間の攻防戦の後、イスパニア太守アフォンソ・ディ・ペラルタはイスパニア兵の安全とひきかえに降伏した。サリーフは約を守り、兵士だけでなくペラルタ以下高級将校も捕虜にしなかった(しかし市民の一部はガレーの漕ぎ手として奴隷にされた)。
 ペラルタら投降イスパニア軍はフランス艦隊の手でバレンシアまで無事届けられた。しかし、イスパニア王カルロス5世はペラルタの無断降伏を許さず、ペラルタは即座に投獄され、バラドリードの広場で処刑されてしまった。

 サリーフ・レイスは生涯を海で過ごし、しばしば大功を建てたため、晩年にアルジェ君侯(ベイレルベイ)に封ぜられた。




サルヴァドル・レイス
〜海賊王の息子〜

地中海。
ガレアス*2、重ガレー*1。

 『大航海時代2外伝』の主人公。バルバロッサ・ハイレディン・レイスの息子。
 旗艦は≪ガナドール(勝利者)≫
 モデルは、ゲーム内で叔父として登場するアイディン・レイスだと思われます。ハイレディンの後継者としての立ち位置、カーチャス・ディアブロ の二つ名などから。また、サルヴァドルがアルジェ海賊でありながらキリスト教の教会に入る事が出来るよう設定されているところも、キリスト教徒説のあるアイディン・レイスを踏まえているものと思われます。

「ちがう、そんな海賊いるか! 頼むから他の呼び名にしてくれよ。」――(ホーレスに「若様」と呼ばれて)




ケマル・レイス Reis, Kemal
〜砲撃戦の創始者〜

ペルシャ湾。
サムブーク*3。弾道学。速射。
(40レベルで経験値7。名声42。6kD。)

 実在の人物。ハイレディン以前の劣弱なオスマン海軍を率いて、大きな功績を上げた提督。ピリー・レイスの叔父。
 旗艦はバヤズィト2世からの下賜艦≪ゴーク≫(ギョーク/ゲーク)。本名はアームド・ケマレッディン Ahmed Kemaleddin 。「カマリー Camali」、「カマリッツォ Camalicchio」とも呼ばれる。
 レコンキスタの最後、グラナダ攻防戦にオスマンからの支援軍として参加し、マラガやバレアレス諸島、コルシカ島で活躍した。
 レコンキスタで高まったキリスト教熱によって、ヨーロッパで迫害が激しくなったユダヤ教徒イスラム教徒 の、オスマン帝国への亡命に奔走した。このことがオスマン帝国の経済と工業の発展に大きく寄与したとされる。
 ゾンツィーノの海戦(ヨーロッパの海戦としては初めて大規模に大砲が船に積まれ、砲撃戦が行なわれた海戦)で、 アントニオ・グリマーニ 率いるヴェネツィア海軍を破り、グリマーニを捕虜にした。
 幾度もイスパニア沿岸への遠征を行ない、そのたびに勝利した。時としてジブラルタル海峡を越えて、イベリア半島大西洋沿岸まで到達した。
 対イスパニア戦争でコロン提督 の元部下を捕虜にし、新大陸の地図と情報を持ち帰ってピリー・レイスに伝えた。ケマル・レイスの情報を元に、現存するピリー・レイスの地図 の新大陸の部分が描かれたとされる。この地図はコロン提督の原図が失われているため、その原図を推測するための貴重な資料とされる。

 ケマル・レイスは大砲を大量に船に乗せて、組織的に砲撃を行なうという、砲撃戦を考案しました。この戦法はヨーロッパ中に広まり、その後一世紀のうちに白兵戦の地位を大きく低下させました。皮肉な事に、ヨーロッパ諸国で最初に大規模砲撃戦を行なったヴェネツィア・オスマンともに、白兵戦から砲撃戦への移行が遅れたと言われています。





ハイレディン・バルバロッサ・フズル・レイス 1466(1483?)-1546 Reis, Hayreddin Barbarossa Hızır (Khair ad-Din Hızır / Hayrettin / Hareaden)
〜海賊王。オスマン海軍の最初と最後にいた者〜

イスパニアイベント。ポルトガルイベント。
ガレアス、重ガレーなど。

 実在の人物。「バルバロス」、「ファージル」、「ハイルティン」、「ハイルッティン」、「ハイルディン」、「ハイルッディン」や「ハイレッディン」、と表記される事もあります。
 アルジェ海賊の頭領にして北アフリカの支配者、地中海の覇者と、まさに海賊王と呼ぶにふさわしい人物です。

 本名はヤークップオール・フズル・レイス。(YakupogluはYakupの子oglu、Hizirは素早き者、Khair ad-Dinは信仰篤き者、Reisは提督・艦長、の意。英訳するなら、Captain Strider Jacobsonとなるか。)
 『大航海時代』シリーズの影の主人公的存在です。
 『2』以降のすべての作品に登場します。(IVではハイレディンの名を引き継いだ息子という設定。ハイレディン・レイスの子ハサン(ウルグ=アリの前任者)が IVのハイレディンのモデルか)

史実
 父はオスマン帝国の小君侯とも、ミディッリ(レスボス)島のティマール(知行地)騎士とも言われます。兄、ウルージ・レイス にしたがって海賊家業に入りました。兄の死後、アルジェ海賊を継承するや、たちまち勢力を伸ばします。
 兄の「バルバロッサ 」の名を受け継ぎましたが、本人は赤ひげではなかったという説もあります。現在残されている肖像画も黒ひげ、赤髭のものと、晩年の白髪のものなどがあります。

オスマン海軍の最初にいた者
 1533年、スレイマン大帝 の招きに応じてオスマン帝国に帰順します(スレイマンの父セリム1世の時代からアルジェ海賊とオスマンとの親交はありました)。そこでカプダン・パシャ(水軍大都督)に任命され、ハイレディン(篤信者)の名を賜りました。それまで、陸兵の輸送ですら同盟国であったジェノヴァやヴェネツィアの海軍に頼っていたオスマン帝国にとって、これが事実上の 最初の海軍 でした。(ジェノヴァもヴェネツィアも、オスマンと同盟したり敵対したりと、反覆常ならなかったため、オスマンは独自の海軍を持つ必要に迫られていました)
 1538年、大アンドレア・ドーリア率いるカトリック連合軍を、プレヴェザの海戦で破り、地中海を「オスマンの内海」としました。
 それ以後も、同盟国フランスの求めに応じて、ツーロン港(ローマ教皇に通じて蜂起していました)を攻略するなど、活躍しました。
 このように存命中は事実上の地中海の支配者でした。

オスマン海軍の最後にいた者
 時代は遥かに下り、一次大戦直前の話になります。その頃のオスマン帝国は、まともな海軍を持たず、また財政破綻のために軍艦の新規買い入れもできない状況にありました。そんな中で窮状を見かねて、国民が立ち上がりました。有志が寄付によって資金を集め、ドイツから近代的な戦艦二隻と駆逐艦四隻を購入したのでした。
 こうして購入された戦艦の片割れに付けられた名が「バルバロス・ハイレディン」 でした。
 その数年後、一次大戦が始まると、国民は同様にして今度は二隻のドレッドノート級戦艦を購入しました。そのうちの一隻には、ハイレディンの故郷にちなんで「ミディッリ」と名づけられました。
 一次大戦によってミディッリは触雷で失われ、僚艦は連合国によって接収されました。こうして380年に渡るオスマン海軍の歴史は幕を下ろしたのです。


――「その甘さが命取りになる。憶えておけ、シャルーク。」

――「俺たち海賊にとって、海こそが自分の領土だ。」




ムラード・レイス
東地中海
ガレアス*1、ジーベック*2、重ガレー*1






ロッサーナ(ヒュッレム・スルタン) 1510-1558 Roxelana(Hurrem Sultan/Khourrem/Roxelane/Rossa/Roziac)
〜北の国から来た皇后〜

イスタンブール。ロッサーナ邸。
歴史遺物報告。 口説き。

 実在の人物。「ヒュッレム(陽気な、才気あふれる)・スルタン」の異名で知られる。「ロクセラーナ」「ロッサーヌ」「ロッサ」「 ロクソラン」とも表記。
 スレイマン大帝の皇后。奴隷出身から皇后になった唯一の人物と言われる。
 スラブ系。出身地にはロシア、ウクライナ、ポーランドなど諸説ある。ウクライナでは「ロハチン(ロハグン)生まれのアナステイジア」、「アレクサンドラ・リゾフスカ」などの名で民話に登場する。ウクライナ出身説を支持する学者が多い。

 父はギリシア正教の神父。クリミア=タタールに捕われ、オスマン帝国に奴隷として売られてきたという。
 スレイマンの寵を受け、他の貴顕の子女を押しのけて皇后となった。美貌だったとも言われるが、そうではなく美貌ではないがウィットと機転の利く性格とでスレイマンの心を掴んだとも言われる。その波乱万丈の人生のため、前半生の人気は高く、多くの伝説や民話、伝記がある。一方、後半生を取り上げて「毒婦」と呼ばれる事も多い。
 実子の皇位継承のために、大宰相イブラヒムや皇太子ムスターファなどの政敵を次々と処刑した。
 メッカやエルサレムでの建築、イスタンブールの女性施療院の建築などといった公共事業を起こしていた。また、ポーランド王ジギスムントやサファヴィー朝へ宛てた手紙が現存するなど、外交にも関わっていたことがうかがえる。

 スレイマンとの間に5子をもうけ、そのうちの一人バヤズィットを溺愛し、彼に帝位を襲わせるために陰謀や暗殺をめぐらしたとされる。娘婿の ルステム・パシャと組んで大宰相イブラヒム を処刑(あるいは暗殺)し、皇太子ムスタファを処刑させた。こうして準備は整ったかに見えたが、彼女の死後、不幸にも彼女の溺愛したバヤズィットは後継者争いに敗れてサファヴィー朝へ亡命した(のちにオスマン帝国の要請を受けて亡命先で処刑される)。結果として、母にも望まれなかったセリムが、セリム二世として帝位を継いだ。





ワ行







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